- トミナガ:
- みんなは、たぶちが曲を作ってきたときにどんなことを思った?
- 田淵:
- (小さい声で)……ツライ。
- 鈴木:
- え?覚えてないなあ。
- 斎藤:
- 高校生の時期って、オリジナルっていうだけでもものすごいモノっていうことがあったから、冷静に判断できてなかったと思います。でも今、脳内で「線路」をリピートすると、いい歌です(笑)
- 鈴木:
- やっぱさあ、最初から才能はあったよね。
- 斎藤:
- 才能はあった。
- 鈴木:
- 努力はしてきてるけど、才能はあったね。
- 田淵:
- (小さい声で)……キツイ。
- 斎藤:
- もともとオリジナルを趣味で作ってるっていう話は聞いていたので、あんまりビックリはなかったですね。
- トミナガ:
- なるほどね。(田淵に) それは△△△ ▲▲▲とは別で、家で趣味的な感じで?
- 田淵:
- うん、たぶん。
- トミナガ:
- それはいつくらいから始めていたの?
- 田淵:
- 中3の音楽の発表会で1曲作った気がするなあ。フォークな感じの曲を。
- トミナガ:
- タイトルは?
- 田淵:
- え?
- 斎藤:
- (笑)
- 田淵:
- なんだっけなあ。なんだっけ、忘れちゃったな。
- 鈴木:
- 「パンジー」は?
- 田淵:
- 「パンジー」もありましたね。それは△△△ ▲▲▲時代の。
- 鈴木:
- (笑) あ、そうか。ごめん、よけいなこと言った。
- トミナガ:
- 中学のときのっていうのは、学校の授業で曲を作って発表するってこと?
- 田淵:
- 友だちと組んで発表会みたいなものがあって、用紙を渡されたときに「作曲者」を書きなさいって書いてあったから、「これ、作んなきゃいけないんだ」と思って、で、「じゃあ俺やります」って作った気がします。
- トミナガ:
- あ、カヴァーっていうか、別にベートーヴェンの曲をやってもよかったんだよね。みんなが曲を作るってわけじゃなくて、曲を作った人の名前を書けばいいって話で。
- 田淵:
- そうなんですよ。いや、黒歴史です。
- トミナガ:
- どうやって曲を作ったの?ていうか作ってるの?って言い方が近いけど。
- 田淵:
- アコギです。今でもアコギ。ユニゾンの最初のころまではドラムの打ち込みとかもやってなかったから、全部アコギの弾き語りでしたね。
- トミナガ:
- △△△ ▲▲▲が高校卒業直前に解散し、そこからいつUNISON SQUARE GARDENになっていくのかな。もう少し時間がかかる感じ?
- 斎藤:
- 大学1年生の……でも、もう入ってすぐですね。(2004年の)7月には初ライヴをやっていたから。
- 田淵:
- でも、わりと7月くらいから動き出した気がするんだけどな。
- 鈴木:
- 1週間後くらいにライヴがあるけど、スタジオに入ろうっていう感じだったよね。
- 斎藤:
- そっか。
- 田淵:
- 6月くらいからオリジナルバンドをやりたいねなんて話を斎藤くんとしていて、そのときSyrup16gのコピーバンドのライヴがあったから、6月はそれに向けてやってた気がするんだよな。それが終わって、そのときにドラムを叩いてたヤツを引き入れようとしたら、「ああ、俺、ふたりにはたぶんついていけない」と言われ……。
- トミナガ:
- それは人間的な話ですか。
- 斎藤:
- (笑)
- 田淵:
- いやいや、当然わたしたちの才能に……。
- 一同:
- (爆笑) ※田淵くんはのちほどこの発言のニュアンスを非常に気にしていましたが、もちろんコミュニケーションのなかでのジョークですからね。みなさん、ご理解ください。 【文責: トミナガ】
- 田淵:
- それが6月中旬だった気がするんですよね。それでどうするかねって言ってたのを覚えてます。
- トミナガ:
- その前に△△△ ▲▲▲が終わった理由ってのは、なんかあるの?
- 田淵:
- 僕がやめるって言った気がするんですよ。その前の秋くらいに、なんか鈴木くんがいろいろあって、(高3の)文化祭に出なかったんです。うちの兄貴がドラムを叩いたんですよ。
- トミナガ:
- !!!???
- 田淵:
- そのころに、大学に行ったら音楽をやるのかどうかをMくんに電話で聞かれて、「楽しかったらやるね」って話をしたんですよ。で、そのときは楽しかったらやるつもりだったと思うんですけど、冬(2004年1月)も鈴木くんがライヴの本番のギリギリ直前に来るみたいな……。
- 鈴木:
- (笑) 冬ってなにがあったんだっけ?
- 田淵:
- その1月のライヴのときに「もう、やめよう~」って思って。
- トミナガ:
- 今の話で、たかおくんがいろいろあって、ライヴの直前に来て叩くよね。それとやめる話ってなにが関係あるの?
- 田淵:
- あんまり関係なかったけど、でもなんか、たぶん楽しくなくなったんだと思うんですよね。特に「プロになるぞ」っていうモチヴェーションも全然なかったけど、単純に「飽きたなあ」と思って。「やめるわ」ってMくんに最初に言って、Mくんがいたくへこんで、それは今でも申し訳ないことをしたなと思ってるんですけど、掲示板に「さよなら、△△△ ▲▲▲」って書き込んでて。
- 斎藤:
- 書き込んでたね、Mくん。
- トミナガ:
- こうすけは?
- 斎藤:
- 僕はもともと、やっていくうちに自分で歌いたいと思ってたんで、大学に入ったら自分で歌うバンドを作ろうって思ってはいました。
- トミナガ:
- なるほど。たかおは?
- 鈴木:
- うーん、どうだっけ。でも俺も、もう疲れたっていうか、「ココロやばいからやめる」ってメールを送ったよね、たしか。
- 田淵:
- そんな気がするな。
- 斎藤:
- あ、そうだったんだ。そうか……。
- 田淵:
- いや、でもね、やめるとは言われなかったんだよな。なんか「できるかぎりがんばるわ」って言って、1月もダメで、4月(吉祥寺WARPでの△△△ ▲▲▲のラストライヴ)もダメだったんだよね。1月のライヴは直前に来て、4月のライヴは当日連絡がついて、当日の朝スタジオに入って。
- トミナガ:
- それまで練習してないってこと?
- 田淵:
- そのときオリジナルが4曲くらい増えてて、DEMOは聴かせてたんですけど、その朝に練習入って一生懸命教えて。
- 斎藤:
- そんなだったっけ……。
- 鈴木:
- それでライヴできたの?
- 田淵:
- できた、できた(笑)
- 鈴木:
- 天才じゃん(笑)
- トミナガ:
- それが△△△ ▲▲▲のラストライヴになるわけね。
- 鈴木:
- それはバンドやってて、楽しくないわ(笑)
- トミナガ:
- バンドじゃないよね。
- 田淵:
- 人がツラそうってのはね、ひょっとしたらちょっと(解散の)原因があるかもしれないですね。僕、今でもそうですよ。まわりの人がつまらなそうにしているのがイヤなんですよね。
- 鈴木:
- つまんないっていうか、それはバンド関係ないからね。
- 田淵:
- ウソ!?
- 鈴木:
- 人生、病みきってたから。
- 田淵:
- そうなんだけど、自分がある程度、気持ち的にも盛り上げてやっているつもりだったので、みんな楽しくないんだったらやめようと思って。