- トミナガ
- ギターを手にして最初に歌った曲とか覚えてる?
- 住岡
- 「見上げてごらん夜の星を」とか……お父さんが5分で弾けるアコースティックギターの教則本を買ってきてくれて、ずっとそれを見てポロンと……「スタンド・バイ・ミー」とか……よく知らない曲ばっかりだったので、とりあえずそのコードを押さえて弾いて「にや~」みたいな感じだったので、なにをカヴァーしたという認識よりかはとりあえず弾けたからいいや、みたいな。
- トミナガ
- うん。そこからすぐ曲を作ってみよう!ってなるわけ?
- 住岡
- ある程度コードの並びがわかって「こうやって曲ができるんだな」っていうので、それに合わせて同じコードでメロディーを乗っけてみたりとかっていう遊びはしてました。
- トミナガ
- それは遊びとしてはどうだった?
- 住岡
- ムズカシイですよね。こっちは歌どんどん進みたいのに、こっちは(ギターは)「ん~」とかやってるから(笑)。
- トミナガ
- 追いつかないんだ。
- 住岡
- 全然追いつかなくて……。でも、たとえばひとつのGのコードだったりしても、クリックに合わせて一定に弾くみたいなのがおもしろくて、そういうのをやってました。
- トミナガ
- あ、またそれが楽しくなってくるんだね。
- そうやって少しずつできてきたオリジナル曲は、歌詞とコードを紙に書いて、メロディーは忘れちゃいけないからということでスケッチ的に録音して保存していたそうです。自宅でデモテープを録ったりしたことはないらしく、そんななかでデビューが決まってしまうのだから、住岡さんのエピソードはちょっとラッキーガール過ぎて、読者の人たちにあまり参考にならないかな?いや、それだけの魅力が彼女の歌や佇まいにあったということでしょう。
- トミナガ
- 当時はYUIさんがアコースティックギターを弾いて注目を集めていた時期でもあります。住岡さんの音楽はそれとは一線を画したもので、フォークロック的なものではないですよね。ご自身的には、自分の音楽をどう思っていますか。
- 住岡
- フォークではないですよね。なんですかね……ポップでもなく、ロックでもなく、分類が自分でもよくわからないですね。ジャンル分けってすごくわかりやすいと思うんですけど……だから、目標というとなんですけど、「あ、民生さんぽいね」とか、「○○ぽいね」っていうのが自分の名前であったらいいなというのが理想です。
- トミナガ
- 素晴らしい。