トミナガ
バンドを始めてSDの人に出会うまで、どんなつもりで活動していましたか。
内田
あー。Great Hunting (EMIの新人発掘セクション) 関連で簡単なレコーディングをさせてもらって、もともと音源志向で曲を作るのが楽しかったので、(音楽を) 形にするのはすごく楽しいなって実感がありました。
トミナガ
SDとの出会いは?
卓丸
音源をSDに送って、連絡が来て、
という感じですね。
内田
このバンドは、音源を送ったら必ず
レコード会社の人が来るから、
イケるんじゃないかって (笑)、
そのときに思ったかもしれない。
卓丸
スルーがなかったんですよ、
それまでに。送ったら絶対、連絡が
来るっていう。
トミナガ
ということは、デビューするまでに
意識的にやったことというと?
内田
SDに音源を送ったっていうことが、自発的に
やったことですね。あ、そうだ。それもEMIの
人に送れば?って言われて (笑) あまり、自発的
じゃないか。
卓丸
EMIではやれなそうだから、(SDに) 送った
ほうがいいよって言ってもらえて。
トミナガ
なるほど。すごい、いい人だ。当時ライヴを
やっていて、なにか手応えとか実感はあった?
卓丸
ライヴハウスの人が優しくしてくれるな、みたいな。かわいがってくれるっていうのはうれしかったです。下北沢のGARAGEとか、新宿のMOTIONとか。
内田
特に、MOTIONがすごく、店長のタクトさん (about tessのギタリストでもあります) とか。そういうときもまだ、ふたりは学生で、だからまだ学生ノリでした。
トミナガ
じゃあ、ものすごくせっぱつまる瞬間はなくて、ずっとこう、状況に乗っかっていったっていう感じ?
内田
そうです……。
卓丸
全然、苦労してない (笑)
内田
今がいちばん苦労してる (笑)
トミナガ
それは、ものすごく楽曲にチカラがあったってことだよね。
内田
あと、わたしたちみたいなスタンスの人たちがまわりにいなかったです。すごく音楽が好きでアンダーグラウンドでやっているバンドか、もっとJ-POP寄りなバンドか、わたしたちってけっこうその狭間 (はざま) で、そういうバンドがいなかったんで。見た目的にも、ファッション的にも、一見あまりバンドをやっているように見えないかもしれないし。
トミナガ
たしかに、アニエスb.のショップ店員さんのような……(この日の内田さんは、ボーダーシャツ、白のスプリングコート、細身のブルージーンズに、アニエスb.のベレー帽と、春のパリを思わせる装いでした)
卓丸
ブッキングの人もおもしろがって、ロック寄りだったり、J-POP寄りだったり、いろんなブッキングを組んでくれる。そういう意味でもおもしろがってくれていましたね。
内田
極端にやる気があるわけではないし、でもやめないんで (笑)、なんなんだろう?って思われてたっていうのはあります。ともだちのバンドも全然いなかったし。
トミナガ
あ、そうなんだ。